グッドデザイン賞

2020 クレヴィアウィル早稲田

クレヴィアウィル早稲田

受賞対象名:クレヴィアウィル早稲田
部門 / 分類:共同住宅

留学生と日本人学生が混住する学生寮を心地良いコミュニケーションが生まれる場にするため、1階には大型キッチン付きビッグラウンジ、各階には性格の異なる10種類の共用ラウンジをEVホールに配置した。寮生は、興味を持ったラウンジで寛いだり気の合う仲間と交流できるほか、個室への通過導線と交わるラウンジは、興味の異なる寮生とも自然に交わる”止まり木”となって、偶然の出会いが生まれる空間にもなる。「食事と安全」の提供が役割であった「保護管理型」の学生寮スタイルを脱し、学生に新たな交流や挑戦の機会をもたらす新しい「成長支援型」の学生寮を目指した。

【受賞となったデザイン・環境等に対する物件特徴】

まずは一人でも気軽に共用ラウンジを使ってもらう為に、学部を超えた相互学習・食事会などができる“交流型”のラウンジ(グループワークスペース/工作アトリエ/シアタースペース/スポーツジム/共同キッチン)だけでなく、軽い息抜きや気分転換ができる“マイプレイス型”のラウンジ(カフェスペース/ハンモックスペース/集中自習室)を用意した。 また、大学生のクリエイティブな感性を刺激する空間となるよう、10フロアのラウンジそれぞれのコンセプトに合った内装や家具を選定、階数表示や、部屋番号のフォントなど細部にまで遊び心を入れた。 さらに1Fのビックラウンジは大型キッチンを中心に、様々な目的の人が混在する空間とした。1階は寮生が外部の友人を招いて交流することも出来る開けた場所であることから、近隣の大学生すべてにとって心地よいコミュニケーションが生まれる場を目指した。

<審査委員評価コメント>

昨今、様々なプロジェクトで求められる「交流スペース」への鮮やかな回答である。押し付けられる交流ではなく、利用者が主体的に選びとれるように巧みに設計されている。「マイプレイス型」と呼ばれる共有部が通過動線となるエレベーターホールへ設置されており、11階建ての中に10種類の性格の異なったスペースとそれを訴求するデザインが、丁寧に設計されている。「偶然の出会い」と「建築計画」は相反することであるが、その双方が「いい塩梅」に実現されている。