グッドデザイン賞

2024 クレヴィア新御徒町

クレヴィア新御徒町

受賞対象名:クレヴィア新御徒町
部門 / 分類:中~大規模集合住宅

近年、狭小化が進む都心マンションにおいて、天井の高さを活かした立体的なアプローチを行うことで、住戸の開放感・快適性といった物理的な居住性向上に加えて、縦の空間を有効活用し、自分らしくアレンジできる余白を創出。都心の限られた床面積の中で居住空間の自由度を向上させるため、高さに着目し、面積以上に部屋全体の広がりを感じられるクリエイティブで自由な居住空間を提案した。

【受賞となったデザイン・環境等に対する物件特徴】

➀ 15階相当を14階建にすることにより、全階層で約3.2mの階高を確保。一般的なリビング・ダイニングの天井高が約2.4mの中、全住戸2.7m以上とし、約12.5%の空間量アップを実現。

➁ 約2.2mのサッシ高やワイドスパンと組み合わせることで、明るく開放的な住空間を創出。高さを活かした高効率収納や床下収納、メゾネットプランを用意し、機能性を高めつつ、ライフスタイルによる選択肢も増やした。

➂ 共用部には二層吹抜けのエントランスホールやリモートワークに対応したブースを設けるなど「高さや自由度」をテーマにした設計とした。

<審査委員評価コメント>

高層の集合住宅は、事業性や構造計画、設備計画などに高いハードルがあるため、とかく画一的な住戸構成に陥りやすい。しかしこの作品は、あえて1層減らすことで高い階高を確保し、従来の事業性に新たな評価軸を導入した点で、極めて野心的である。さらに様々な規模の住戸、メゾネット住戸なども組み込み、多様性と快適性を高い次元で実現している。街は本来、多様な人々の多彩な暮らしが展開して初めて魅力的なものになる。その意味で、こうした高層集合住宅が丁寧に作られていくことは、大いに歓迎したい。