グッドデザイン賞
2023 エリアマネジメント賃貸住宅
受賞対象名:エリアマネジメント賃貸住宅
部門 / 分類:中~大規模集合・共同住宅
エリアマネジメント活動の持続性確保という課題を解決するため、分譲マンションと併設して賃貸マンションを設置し、それを分譲マンション住民が主体となるエリアマネジメント団体が運営することにより、エリアマネジメントの人材獲得及びエリアマネジメント団体の安定的な資金の確保を実現できるスキームを確立させた。
【受賞となったデザイン・環境等に対する物件特徴】
「エリアマネジメント賃貸住宅」は、緑区十日市場町で推進しているSDGs未来都市・横浜「持続可能な住宅地推進プロジェクト(緑区十日市場町周辺地域)」における「十日市場センター地区22街区事業」の中核である分譲マンション「グレーシア横浜十日市場」内に併設した、9戸の賃貸住宅。少子高齢化による地域コミュニティの衰退や、子どもの居場所や子育て世帯を支える機会の不足といった課題解決のため、分譲マンションの共用部を「シェア共用部」として地域にひらき、多様な活動やコミュニティ形成のための空間「まちのツールボックス」を用意。「まち保育」という考え方も取り入れ、継続的なエリアマネジメント活動を行っている。エリアマネジメント賃貸住宅の家賃をエリアマネジメント活動費用に充当し、持続的な活動を実現できるスキームを確立した。
<審査委員評価コメント>
分譲マンションと賃貸マンションを複合させ、居住者向けサービスを充実させることは近年各地の様々な形態で実践されているが、分譲マンションへの気兼ねが透けて見えるのが実情である。このプロジェクトに占める賃貸住戸数こそ少ないが、周辺の地域社会との連携も視野に入れているところが評価された。いま分譲マンションは価格の高騰傾向が続き、賃貸マンションの供給増の可能性も想定されるだけに、地域共生を前提として多様なエリアマネジメントを志向した本プロジェクトは、大いに参考にされるべき性質であると言えるだろう。