グッドデザイン賞
2020 通り土間(クレヴィア横濱弘明寺)
受賞対象名:通り土間(クレヴィア横濱弘明寺)
部門 / 分類:中〜大規模集合住宅関連のサービス、システム / HEMS
マンション1階住戸において、玄関口と勝手口とを土間で繋げ、通り抜け出来るプラン。昔から日本の建築に取り入れられてきた通り土間を、現在のマンションに取り込んだことで、「外部と内部」「水回りと居室」の中間的用途の空間が生まれ、多様化する現在のライフスタイルに合った機能的で居心地の良い間取り作りを実現した。
【受賞となったデザイン・環境等に対する物件特徴】
通常の玄関口に加え直接道路から入れる専用入口を設け、内部と外部との連続性を生み出したことに加え、通り土間があることによって、住空間は分断されることなく心地良い繋がりが生まれる。住まい手によって土間部分の使い方は多彩であり、家族が寛ぐ場や、子供の遊び場、趣味を楽しむ作業の場など様々な生活シーンに対応できる空間とした。土間部分は上下足どちらでも使えるよう、床をタイルにしたことで、本来室内で困難な作業などが室内でできるようにし、掃除がしやすい設えとした。また屋外設備用のスロップシンクを設けたことで、その使用用途が広がり、多様なライフスタイルへの対応を可能とした。これまでになかった特性を備えた通り土間は、住まい手の自由な発想にも対応し得るデザインであり、暮らしの幅を広げられるプランとした。
<審査委員評価コメント>
通り土間をマンション1階に取り入れたプランは、在宅ワークや趣味、外部の人を招いた教室など、さまざまな使い方が想定できる。下足で入れるので、自転車やキャンプ道具を置いておくのも良さそうだ。このような中間領域こそ、現代の多様な住まい方に対応するもので、上階にもぜひこのコンセプトを展開してほしい。審査委員からは、コンクリート床仕上げのほうがコンセプトが明確だという声も上がったものの、新しいプランを世の中に提供している点は大いに評価できるものである。