グッドデザイン賞

2019 幕張ベイパーク クロスタワー&レジデンス

幕張ベイパーク クロスタワー&レジデンス

受賞対象名:幕張ベイパーク クロスタワー&レジデンス
部門 / 分類:中~大規模集合住宅

住宅・コミュニティ拠点・コワーキングスペース・保育所・学童・サービス付き高齢者住宅等の大規模複合開発。多様化するライフスタイルに応えるため、「ミクストユース発想による賑わい溢れる街づくり」をコンセプトに人々の交流を促進する街区デザイン、各ライフステージに即したテナント構成をすることで都心にはない新たな生活価値を創出。

【受賞となったデザイン・環境等に対する物件特徴】

①住・職・学のミクストユースの街づくり
計画段階から地域住民や有識者を交えたディスカッションを実施。“日常のサイクルが街の中で完結するミクストユースの街”を目指し、街の未来像・街に必要な機能などに関する議論を重ね、街づくりを進め、職・学・商と多世代に亘って利用可能なテナントを誘致し、幅広いライフスタイルの実現を可能にした。
また、街の入り口部分に、保育所・学童やコワーキングスペースに加え、エリアマネジメント組織の拠点であり、集会所やイベントスペースとしても利用可能な「B-Pam CENTER」を配置。複合機能を集積し、地域に開かれた空間とした。

②ヒューマンスケールの街区・空間デザイン
区画自体が非常に大きく、建物の壁面が長大となることで、歩行者の導線を塞がないよう壁面の雁行・分節を行い、圧迫感の軽減や歩行者の導線を確保。敷地内通路を蛇行させることで画一感を低減し、距離を感じさせないよう工夫した。

③住民主体となるエリアマネジメント組織の設立
幕張ベイパークに住む人、働く人が主体となって取り組む「街そだて」の仕組み「幕張ベイパークエリアマネジメント(通称B-Pam)を設立し、一般社団法人化。
また、情報共有・発信のためのポータルサイトの開設やコミュニティ拠点を設置し、ハード面からもコミュニティ形成を促進する仕組みを構築。交流を深めるため、入居前から施設内等でのイベントを多数実施。

<審査委員評価コメント>

大規模な集合住宅を、育児施設、学童施設、コワーキングスペースなどとともに計画することで、街の生活機能を担う開発となっている。事前に地域住民との意見交換をするなどのプロセスがその有効性を担保するものとしていると思われる。また、集合住宅の共用空間や、そのほかの施設を接地階に集め、建物内部での活動を外部に表出させるようなデザインも街に表情を与えることに貢献している。住空間が住むだけの施設として孤立しないこのような計画は高く評価されるべきものといえる。