海外レポート

住宅の売れ行きからみた上海の人々
住宅の売れ行きからみた市井の人々  日本のメディア各誌で、中国の不動産バブルを警戒する記事を目にすることがあるかと思います。当然ですが、そこには、実際に住宅を購入する人たちがいて、そこでの生活も存在しています。しかし、こういった記事では、なかなかそこまで伺い知ることは難しいかもしれません。
というわけで、今回のレポートでは関連データを紹介しながら、上海での住宅購入の際に、現地の人が気にしている点についてお話しいたします。

   上海では、どのようなマンションが売れ筋なのでしょうか?私が調べた範囲では、上海の中心部から20~30kmほど離れたエリアにある物件に人気が集まっていました。東京で言うと、丸の内を中心として、神奈川県の横浜市や千葉県の柏市や市川市といったところでしょうか。日本同様、駅近、利便性の高い物件が売れ筋となっています。また、上海の2016上半期のデータでは、成約の6割以上が4万元/㎡(約200万円/坪)以下で、専有面積も50~100㎡が約6割を占め、実需中心の構成であることが分かります。総額で見ると、約半数が300万元(4,600万円)以下の住宅になっています。
というのも、一軒目から中心部で新築物件を購入するには価格的にハードルが高いため、まずは郊外の小振りな2LDKなど、手が届く範囲の価格の住宅を購入し、将来、家族が増えたり、収入が増えて経済的に余裕が出た頃に、中心部の広めの中古物件に買い替える方が多いためです。住宅価格が上昇し続けている中国では、一生の買い物という感覚ではないのかもしれません。また、中国では結婚の際に男性が住宅を所有している事が非常に重視されるので、20~30代の男性(またはその親)が、実需として購入している場合も多いです。そのため、売れ行きの良い新築マンションの住戸タイプ比率を見ても、120㎡以上の改善型といわれる広いタイプは、比較的少ないようです。これは、デベロッパーとして今売れる住宅を優先して開発した結果と言えるでしょう。上海の住宅価格の上昇は、中古物件が牽引しているというデータもあり、こうした購買行動を裏付けているのかもしれません。

   一方で、1,000万元(1.5億円!)を超える物件の販売も伸びており(5,000戸強)、今年は“豪邸元年”だという業界関係者もいる点も、上海の特徴として付け加えておきます。
なお、今年の春ごろから、各都市で住宅の購入制限政策等が再開され、実需以外での購入が厳しくなってきており、価格高騰抑制に一定の効果を上げているようです。
   どうでしょうか?少し細かくご説明しましたが、住宅の売れ筋を追ってゆくことで、生活の基盤として身の丈にあった住宅を探し、また、将来の夢も持ちながら生活している人々の姿が見えてきたのではないでしょうか。おそらく、世界の多くの場所において、市井の人々の生活というものはそんなに違いは無いのかもしれません。

   その場にあるニーズを的確に捉え、それらを満たす住宅を供給し、お客様に喜んでもらいながら、ビジネスとしても成立させる。そんな想いで、毎日の業務を行っています。

2016年12月1日 中国・上海 日 記 山岡淳
 
バリ島の数奇な運命
バリ島の数奇な運命 バリ島はインドネシアの中でも有数の観光地であり、リゾート島として世界的にも有名です。
また、イスラム教が大半を占めるインドネシアの中でも稀な、ヒンドゥー教が根ざした地域でもあります。

元々インドネシアは仏教・ヒンドゥー教の国でしたが、16世紀にイスラム勢力によりヒンドゥー教王国であったマジャパヒト王国が衰退し王国の貴族や僧侶などがバリ島に逃れて来たことにより、宗教と芸術が融合した独特なバリ文化が発展し王朝文化の黄金期を迎えます。

19世紀にオランダによるバリ島の植民地化が進みましたが、伝統文化を保護する政策を取ったことにより次第に欧米を中心に「最後の楽園」と呼ばれ、多くの欧米人が訪れるようになりました。そしてその欧米人の影響を受け、バリ舞踊やガムラン音楽と言ったバリ文化独特のスタイルが確立され「バリ・ルネッサンス」の時代を迎えます。

第二次世界大戦時には日本の占領下となりますが、1945年の終戦の後1950年にインドネシア共和国に組み込まれるとスハルト体制時にリゾート開発が始まり、世界的な観光地として成長しました。
因みに、バリのリゾート開発の第一歩として日本の戦後賠償金でサヌールエリアにホテルが建設されたり、バリ屈指のリゾートエリアであるヌサドゥアのマスタープランを日本のコンサルタントが策定していたりと、実は日本もバリのリゾート化に大きく関わっています。


2016年9月2日 インドネシア・ジャカルタ 日 記 山田卓也
上海より、はじめまして
上海より、はじめまして 今回から上海発のレポートを担当させていただきます山岡です。
私は長年にわたり中国に常駐し、現地の不動産開発に携わっています。
これから、現地ならではの様々な話題をお届けできればと思います。

さて、中国は日本の国土の約25倍もある国なので、隣の行政区に行くにも長距離移動となることが多く、度々「出張」に行くことになります。

出張を翌朝に控えた夕方頃、携帯の着信音が鳴ることがしばしばあります。そういう時は、会議(出張)延期、段取りの変更など、大体頭を抱えるような内容を伝える電話であることが多いです。こういった突然の変更が多いのも、中国のお国柄の一つかもしれません。
しかし、心折れることなく前向きに出張業務を進めるため、普段から意識していることがあります。

例えば、普段、取引先などの中国人担当者の方数人で食事をする際の会計は、割り勘ではなく私が支払います。私個人として、普段の彼らの労をねぎらいたいという気持ちからですが、こうしたことを続けていくと相手の態度も確実に変わってきます。それは損得勘定とは違い、中国では「食事」がとても大事にされているため、美味しいものをご馳走し一緒に食べるという行為が「大切にされている」と受け取られるという文化があるからなのです。(お店選びも重要です!)
中国の外食コストは年々上昇しており、少々懐が痛むこともありますが、大切な機会でもあるので、なるべく誰かと食事をするようにしています。

会食が終わりホテルに帰った後は、ジムで汗を流して(アルコールも出して)、湯船につかってゆっくり休むようにしています。また、次の日の朝は、ホテルのバイキングを楽しみ朝食をしっかりとることを心がけています。そうして体調を整え、打ち合わせに臨んでいます。中国のホテルは、日本に比べ価格の割に施設が充実している場合もあり、体調管理の面でも助かっています。

また、出張先での移動では、タクシーを利用することがよくありますが、運転手が気さくに話しかけてくることも多く、市井の中国人の、日本や日本人に対する考えを聞いたり、こちらの考えを話して反応を聞いたりすることも、私の出張での楽しみの一つです。

中国ではタフなビジネスとなることも多いのですが、出張を繰り返し現場に何度も通うことで、ビジネスマンとしてだけでなく日本人としても、新たな発見や学ぶことも多く、それが海外事業の楽しみの一つでもあります。

これからもよろしくお願いいたします!
2016年7月1日 中国・上海 日 記 山岡淳
インドネシアが世界に誇る名ジャズピアニスト
インドネシアが世界に誇る名ジャズピアニスト 彼の名はジョーイ・アレキサンダー。
若干12歳の少年です。

2015年に発売された初アルバム「MY FAVORITE THINGS」はインドネシア人として初めて米ビルボード200にランクインし、2016年2月に開催された第58回グラミー賞では最優秀ジャズ・インストゥルメンタル・アルバム等2部門にノミネートされました。
惜しくも受賞は逃してしまいましたが、受賞していれば史上最年少のグラミー賞受賞でした。

インドネシアのバリ島で生まれたジョーイは幼い頃から両親の影響でジャズに興味を持ち、6歳でキーボードを与えられた後に早くからその才能を開花させます。
8歳の時に、インドネシアを訪れていたジャズ界の巨匠ハービー・ハンコックの目に留まり、その後活動の拠点をニューヨークに移します。本格的にミュージシャンとしての道を歩み始めると、11歳で初アルバムをリリースし米ビルボードにランクイン、12歳でグラミー賞候補・・・まさに絵に描いたようなサクセスストーリーですが、彼の演奏を聴くと、成るべくしてなったと納得する程の才能に溢れています。

目を閉じて演奏を聴くと、まるで長い年月を掛け豊かな人生経験を重ねた初老の男性が演奏をしている、そんな姿が目に浮かびます。12歳の少年がどうやってあの熟練した、表現豊かな音色を生み出すのでしょうか。彼がインドネシアに凱旋した際には、一度生の演奏を聴いてみたいものです。

是非、小さな少年の今後の”Giant Steps”に注目してみてください。
2016年4月1日 インドネシア・ジャカルタ 日 記 山田卓也
世界一の島嶼国家、インドネシア
世界一の島嶼国家、インドネシア インドネシアには現在13,466の島々があり、その島数は世界最多です。
以前は約17,000と言われてきましたが、2013年に数え直した結果、現在の数となっております。
それでもその島数は圧倒的で、世界に2番目に島数が多いとされているフィリピンで7,109、因みに島国日本は6,852の島があります。

バリ島のような有名な島から今まで名前も無かったような島まで、大小様々な島がインドネシアにはありますが、それぞれ違った特徴や文化が根ざしており、訪れてみると新しい発見が沢山あります。

昨年休暇を利用して訪れたRaja Ampatという諸島は、ダイバーの聖地と言われており、「世界で最も生態系が豊かな海」とも言われております。
ジャカルタから遠く離れた西パプアの港町Sorongからフェリーで2時間、さらに中継地点のワイゲオ島からボートで1時間という場所にある、まさに秘境ともいうべきスポットです。
まだまだ観光客は少なくホテルやレストランなどもない場所ですが、近年欧米系の旅行者を中心に人気を集めており、私が訪れた際もイタリアやオランダからの旅行者が同じロッジにいました。

Raja Ampatは17世紀頃に栄えたティドレ王国の一部でしたが、のちにオランダが統治し、戦時中には日本軍も訪れるなど(当時の防空壕が残っております)、様々な歴史の変遷をたどっており、また、ダーウィンと並ぶ著名な自然科学者で探検家でもある英国のアルフレッド・ラッセル・ウォレスも1860年にこの島を訪れ進化論を研究するなど、紐解くととても興味深い歴史を垣間見ることが出来ます。

是非、インドネシアの知られざる島々を訪れてみては如何でしょうか。
2016年2月1日 インドネシア・ジャカルタ 日 記 山田卓也

伊藤忠都市開発の担当者が
現地の様子をお伝えします。

伊藤忠都市開発は新しい「明日の価値」創造に向けて、 中国、アセアンを中心に海外事業に取り組んでいます。

執筆者・担当者紹介
<アメリカ・中国・インドネシア>

  • 安江建吾(やすえ けんご) 安江建吾(やすえ けんご) プロフィール
    08年入社・9年目
    2016年7月より、ITOCHU International Inc.へ出向中。
    入社以来、国内分譲・賃貸マンションの用地取得から企画・販売までの業務を担当。
  • 山岡淳(やまおか あつし) 山岡淳 (やまおか あつし) プロフィール
    10年入社・7年目
    現在上海伊藤忠商事有限公司へ出向中。
    2003年より中国在住。設計会社、マンション内装会社などでキャリアを積む。
    中国事業での建築企画品質管理分野を担当。
  • 一ノ瀬雄貴(いちのせ ゆうき) 一ノ瀬雄貴(いちのせ ゆうき) プロフィール
    08年入社・9年目
    賃貸住宅事業課を経て海外不動産開発室へ。2013年4~8月天津へ語学研修。
  • 山田卓也(やまだ たくや) 山田卓也(やまだ たくや) プロフィール
    09年入社・8年目
    国内でオフィスビル等の用地取得・事業推進を経て海外不動産開発室へ。2012年3~7月、当社初の研修生として青島へ語学研修。幼少期にインドネシア・マレーシアで11年の在住経験あり。